【ライブレポート】テーマパークのように楽しめる<LuckyFes>

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<LuckyFes'23>が7月15日〜7月17日の3日間開催された。

2022年に誕生した<LuckyFes>は、「音楽と食とアートの祭典」をテーマにした野外イベント。“音楽のクロスオーバー”を掲げて幅広いアーティストのパフォーマンスを届けるライブステージに加え、食やアートなども充実させて「テーマパークのようにそこに居るだけで楽しめるような空間を演出し、マルチ世代が楽しめるフェス」を目指した様々なコンテンツが展開されている。

本記事では、今年の<LuckyFes'23>に出演した9アーティスト(yama、ASKA、Creepy Nuts、Novelbright、J-JUN、大黒摩季、SKY-HI、ゴールデンボンバー、Da-iCE)のオフィシャルレポートを掲載。イベントオフィシャルサイトには掲載されていない写真満載でお届けする。

なお、<LuckyFes'24>が2024年7月13日、14日、15日の3日間、茨城・国営ひたち海浜公園で開催されることが発表されている。

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【7月15日(土)】
▪️yama、「自分のために歌い続けることで誰かを肯定できたらいいな」

曇り空ながらじわじわと気温が上がってきた14時すぎ。yamaのサウンドチェックがスタートする。まだ本人が登場していないにも関わらず、そのサウンドに合わせてクラップをする観客たちからは、ステージを心待ちにしていることがこれでもかというほど伝わってくる。

14時30分になると、WATER STAGEにオープニングSEが鳴り響く。まずはバンドメンバーが登場し、観客をクラップで煽る。そんな中、トレードマークである白いパーカーに身を包んだyamaが登場。まずは昨年リリースされるやいなや大ヒットした「色彩」でライブをスタートさせる。歌詞を客席に投げかけるかのような歌で、会場中を一気にヒートアップさせていく。


「yamaです。今日はよろしくお願いします」と改めて挨拶をすると、yamaの1作目であり、YouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』でも披露された「春を告げる」を続けて披露。「おぉ!」という歓声が上がり、会場はクラップとともに揺れていった。このグルーヴィーな音につられるかのように、WATER STAGEには次々と人が集まってくる。

「<Lucky Fes>、楽しんでますか? めちゃくちゃ熱い! 去年に引き続きここに戻ってくることができて嬉しいです。そして来てくださってありがとうございます」とお礼を言うと、ここでMCタイムへ。「去年、良い出会いがあって。Def Techと出会って、今年対バン誘ってもらえたりとか。今年もまた来れて本当に嬉しい」と、アーティスト同士の交流があったことを報告する。さらに、今年のyamaのステージは撮影&SNS投稿OK。それを受けて、「せっかく目の前にいるから(スマホ)越しじゃなくて、なるべく目に焼き付けてくれたら嬉しいなって思ってます」と思いを伝えると、大きな拍手が。しかし、「どうしても撮りたかったら……撮っていいよ(笑)」とチャーミングに笑いを誘う場面もあった。

「でもちゃんと見てほしい。今日は楽しんでいきましょう!」と締めると、Vaundyのプロデュース曲「くびったけ」が飛び出す。ステージの端まで移動したり、しゃがんでみたり、お立ち台に上って歌ってみたり。全身で音楽を観客に届けていく。



ボルテージを上げまくった後は、「水分取ってくださいね」と気遣いのひと言。そして、「1回落ち着くためにバラードやりたいなと思います」と、ハスキーかつ透明感溢れる歌声がたっぷり味わえる「Oz.」をスタートさせた。……と思ったが、「ごめんなさい、もう1回やっていいですか? ほんっとごめんなさい!」と歌い出しで演奏をストップするというハプニングも。これもライブならではの醍醐味である。だが、そのハプニングもものともせず、再び美しく伸びやかな歌を響かせていく。気温は30℃に迫る勢いだったが、それでも涼しい風を感じたのは、どこかセンチメンタルな同曲が会場を包んだからなのだろう。

その余韻が漂う中、「最近思うことがあって」とyama。「糸みたいなものをピンと張って頑張ってる状況なんですけど、そういう時にたまに切れそうになる瞬間があって。どうやったら繋ぎ止められるかなって考えた時に思い出すのは、ステージに立ってその場を共有している時の景色とか高揚感。変わらず自分は自分のためにずっと歌い続けるんですけど、それが結果的に、間接的に、誰かを肯定できているならいいなって思って曲を作ったり、歌ったりしています」と思いを伝える。


さらに「なりたい自分にはなれてないですけど、ちょっとずつ進んで頑張ろうって書いた曲です」と語り、自身が作詞作曲を手掛けた「ストロボ」へ。同曲について、以前ラジオの中で「『この曲をライブでやりたい!』と思える曲がちゃんとできた(※)」と語っていたことがあった。その言葉の通り、生で見るからこそ感情伝わってくるダイナミックなパフォーマンスを披露していく。

「次で最後の曲です。最後の最後まで楽しんでいきましょう」という言葉とともに放ったのは「slash」。重厚なロックサウンドにyamaの感情のこもった歌声が乗ることで、心がギュッと掴まれるかのようなパワーを会場中に届けていく。そして曲が終わると「ありがとうございました」と深く頭を下げ、ステージを後にした。



数々のヒット曲を生み出し、その名を轟かせているyama。にも関わらず、未だミステリアスなイメージがあるのは魅力の一つだろう。そのある種の崇高さとともに、yamaが持つ熱さも感じられたこのステージは、多くの人の心に残ったはずだ。

取材・文◎高橋梓
写真◎清水ケンシロウ/team SOUND SHOOTER

セットリスト

1.色彩
2.春を告げる
3.くびったけ
4.Oz.
5.ストロボ
6.slash
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